大型台風、ゲリラ豪雨……と近年、被害が拡大してきている水害。しかし地震や火災に比べ、水害は家庭での防災意識がまだまだ浸透していないのが現状です。水害からご自宅を、そしてご自分やご家族の命を守るためのノウハウをご紹介します。
これだけは知っておきたい!水害対策
これだけは知っておきたい!水害対策
水害から自宅を守るために雨の予報用語の意味をご存知ですか?
天気予報で「強い雨」や「非常に激しい雨」といった用語を耳にしたことがあると思いますが、雨の強さにも基準があることをご存知でしょうか。気象庁では、以下のような基準を設けています。
やや強い雨 | 10~20㎜未満 | ザーザーと降る雨。 長く降り続く場合は注意が必要。 |
強い雨 | 20~30㎜未満 | 土砂降り。 側溝や下水が溢れ、小規模のがけ崩れの心配も。 |
激しい雨 | 30~50㎜未満 | バケツをひっくり返したような雨。 道路が川になり災害発生の恐れあり。 |
非常に激しい雨 | 50~80㎜未満 | 外出困難な滝のような雨。 災害が発生する危険性が高く、警戒が必要。 |
猛烈な雨 | 80㎜以上 | 圧迫感があり息苦しく恐怖を感じる雨。都市機能がマヒし、大規模災害発生の恐れが極めて高くなり、厳重な警戒が必要。 |
STEP1 水害から「家」を守る
河川の氾濫で外から水が迫る!
外からの浸水を防ぐ
溢れた水や泥が流れ込んでくるのを防ぐには、土のうで臨時の壁を作るのが一番効果的です。
玄関はブルーシートの上に土のうを置いて浸水をガード。家にある板と重しで入口をふさぐ止水板も一定の効果があります。
浸水は外からだけじゃない!
排水溝の逆流に注意
下水が大雨を処理しきれなくなると、排水溝から汚水が逆流する危険性が高まります。キッチンや浴室、洗濯機は排水溝に、トイレは便器の中に土のうを置いて汚水の逆流を防ぎます。
必要時に水に浸すだけで16〜20Kgほどにふくらむ土のう。普段は軽量コンパクトなので水害時の備えとして常備しておきましょう!!
STEP2 水害から「命」を守る
避難情報に耳を傾け、早めの準備と行動を!
市町村が発令する避難情報の、警戒レベル「3」または警戒レベル「4」(避難情報)で必ず避難しましょう。
くわえて、気象庁などから出る河川水位や雨の情報も参考に自主的に早めの避難をしましょう。
出典:内閣府 防災情報のページ
市区町村長は、河川や雨の情報 (警戒レベル相当情報) のほか、地域の土地利用や災害実績なども 踏まえ総合的に避難情報等 (警戒レベル) の発令判断をすることから、警戒レベルと警戒レベル相当 情報が出るタイミングや対象地域は必ずしも一致しません。
防災教育振興研究所 仲西 宏之さん
水害対策に重要なのは「意識と知識」。平時から水害を“意識”し、準備を怠らないこと。水害発生時も意識して情報収集に努め、必要とあれば、迷わず避難しましょう。
そして、その避難の判断の元となるのが、水害に関する“知識”です。気象・防災情報の見方や避難経路・方法を事前に知っていると、非常時も慌てず最良の選択ができます。
家の浸水対策ももちろん重要ですが、まずは家族の安全が一番。いざという時に最良の選択ができるよう、日ごろから家族全員で「意識と知識」を高めあっておきましょう。
取材協力:株式会社防災教育振興研究所
防災教育の普及を目的に、平成26 年に設立。防災に関する講習会や防災教育の研究会、地域ハザードマップの作成など、幅広く事業展開。国際協力事業にも積極的に取り組んでいる。