2001年錠前師資格取得。町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。法人営業部の責任者を務める中、2002年防犯設備士取得。その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。 2005年独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、テレビ・新聞・雑誌など、多方面で現在も防犯の啓蒙活動を展開中。
防犯アドバイザー京師美佳の「お・宅・訪・問 防犯診断」 玄関付近の侵入ポイント
第3回兵庫県 Mさま宅
まずは、自分でできる防犯対策を! その3 玄関付近の侵入ポイントホームセキュリティを導入しているお家も多いご近所
今回の診断は、兵庫県の閑静な住宅街にお住まいのファミリーからのご依頼です。ご近所には、ホームセキュリティシステムを導入しているお家も多く、各セキュリティ会社の「ステッカー」が目立ちます。この様な場合、「ステッカー」が貼られていない家が狙われやすくなります。また、敷地の大きい家も多く、道路の広さの割に街灯の間隔が広くなり、夜間の照度が低くなるため、各戸に玄関灯がついていないお宅は、空き巣にとって行動しやすい環境といえます。
ホームセキュリティを導入しているお家も多いご近所
このお宅の場合、道路を挟みお互いの玄関が向い合わせになっていますが、向かいのお宅は1階が駐車場やブロック塀になっていて、玄関は2階部分。このため、相談者のお宅の玄関に目を配ってもらう事は難しいと考えられます。
診断1:死角をなくせ!
玄関付近に植木が茂り、死角が多いため、侵入経路として利用される可能性が高くなります。また、玄関を抜け左右の(家の横側の)通路に向かうと、正面と同じように植木が生い茂っており、道路側からは完全に死角になっています。さらに、裏庭にも剪定されていない植木が。。。
これでは、玄関から植木に隠れて敷地内に侵入してきた空き巣が、更に植木の影となった横の通路を通って、隣家から見通せない裏庭に簡単にたどり着くことが出来てしまいます。
戸建住宅の場合、通常は「掃き出し窓」や「ベランダ」が圧倒的に侵入口となりますが、このお宅に関しては“植木の剪定が出来ていない”事で、「玄関」や「窓」も“侵入される危険性”が同じくらい高くなっています。
植木は、玄関・庭を問わず綺麗に剪定して死角を無くし、不審者が潜めないように見通し良くしておくことが重要です。
植木が生い茂っており、道路側からは完全に死角に
隣家から見通せない裏庭
「チェーン」を張るなど、視覚的な抑止が必要
診断2:空き巣に嫌われる環境づくりを!
駐車場はフェンスや柵が無く、簡単に侵入出来る様になっており、車の盗難や車上荒らしの危険性があります。更に、駐車場から敷地内に侵入し、住居に侵入される恐れも。
こういった場合、「チェーン」を一本張るだけでも、ここから入るな!という視覚的な抑止効果が発揮され、侵入者が近づきにくい環境を作ることができます。さらに「柵」などを設置すると、より効果的です。それを乗り越えて侵入しようなどという“目立った行動”を空き巣は嫌うため、諦めさせるポイントにもなります。
また、「センサーライト」などで威嚇すれば、更に効果はアップします。
「チェーン」を張るなど、視覚的な抑止が必要
診断3:戸締りをしっかり+もうひと工夫!
玄関は「ダブルロック」ですが、「飾り窓」があるので、そのガラスを破って手を中に入れ、鍵を開ける事が可能です。ガラス部分を「防犯ガラス」や「防犯フィルム」でガードできれば、有効な防犯対策となります。
「飾り窓」があるので、もうひと工夫の防犯が必要
雨樋から2階へ侵入されるおそれも
庭にまわるとすぐ、2階のベランダに沿って「雨樋」が設置されているので、ここから2階へ昇ることも可能です。2階は“鍵の閉め忘れ”が多い場所。まずは施錠をキチンとすることが基本ですが、ついうっかりが心配な場合は、“開けられたら警報が鳴る”ような窓用ブザーの設置も有効です。
雨樋から2階へ侵入されるおそれも
戸建住宅の場合、敷地内への侵入が簡単。その分、「空き巣」だけでなく「強盗」などの被害にも遭いやすくなります。万が一、何者かが自宅内に侵入してきた場合の対抗策として “外部に異常を伝える事ができる”ホームセキュリティ会社の「非常通報装置」など効果的です。
マンションと違い、戸建住宅は“自身で防犯対策をする”しかないのです。できる範囲で防犯対策を講じることが必要な時代です。