元刑事の防犯専門家 折元氏に、泥棒の心理から導き出した防犯対策をレクチャーいただきました。いつもとは違う視点から防犯を考えることで「狙われる家」の傾向を知り、日頃の対策に役立てましょう。
元・大阪府警刑事が語る"泥棒 の心理"
効果的な防犯対策で「狙われない家」に!
元・大阪府警刑事が語る"泥棒 の心理"泥棒心理がわかれば
より効果的な防犯対策が見えてくる
より効果的な防犯対策が見えてくる
空き巣に入る家の選び方とは?
隣近所より少し防犯レベルを上げるべし
泥棒は歩きながら「どの家に盗みに入ろうかな〜」と物色しています。そのときもっとも重要視するのは金持ちかということよりも入りやすい家かどうか。泥棒を生業にしている者にとってはリスクを冒して大金を狙うより、数日生活できる金額が手に入れば十分ですので、侵入しやすい防犯が手薄な家を選ぶのです。
ですから近所と比較し、家の防犯レベルをワンランク上げられれば「泥棒に選ばれない家」にすることができます。
泥棒は隙のある家をどう見分ける?
家の死角こそ対策済みをアピールすべし
玄関や大きな窓などばかり重点的に防犯対策をしているお宅が多いですが、泥棒がいちばんに狙うポイントは「死角」。表から見ると一見きちんとしていても、裏側や庭の奥の防犯が手抜きだったり、掃除が行き届かずモノが雑然としている家は、泥棒に「隙アリ!」と見られ、餌食にされてしまいます。
逆に死角まできれいに整頓され、防犯ステッカーを貼るなどきっちり対策を施している家には警戒して近寄りません。
泥棒は勝手口を狙う?
狙われやすい勝手口は2重ロックすべし
家の死角にある勝手口は侵入口になりやすい泥棒が好む場所ですので、しっかり防犯対策したいもの。補助錠の取り付けがもっとも安全ですが、勝手口は内側からさえ開けばだいたい事足りますので、室内からしか開けない「かんぬき」を取り付けるのも有効です。
実際、5軒連なりで勝手口からの空き巣被害が発生した際、真ん中の家だけ、かんぬきのおかげで被害を免れました。安価で簡単に取り付けられますのでおすすめです。
泥棒が近寄りたくない町とは?
隣近所と積極的に交流すべし
泥棒は、狙った地域には下見に行きますが、そのとき、侵入しやすい家の調査だけでなく、近所付き合いの様子も確認しています。コミュニケーションが盛んな地域では余所者は歩くだけで注目の的となり、声をかけられる確率が高くなるからです。泥棒は見られることをなによりも嫌いますので、そういった地域には寄りつきません。
ただし、指定日以外にゴミを出している家や、雑然と汚い家は「近所付き合いが悪く隙が多い」と判断され、逆にターゲットにされやすくなります。
泥棒がインターホンを使う時とは?
インターホンが鳴ったら在宅をアピールすべし
インターホンの応対が面倒、または知らない人だから出なくてもいいか、とついつい居留守を使ってしまう方は要注意。泥棒は家周りを物色した後、インターホンで最終的な留守確認をすることが多いのです。最悪、家の中で鉢合わせてしまい、パニックに陥った泥棒が居直り強盗になってしまうケースも考えられます。
泥棒も見つかるようなリスクを冒したくありません。ドアは開けなくてもいいので在宅であることはアピールしましょう。
泥棒にとって防犯カメラは怖いもの?
家の死角こそ対策済みをアピールすべし
「うちは防犯カメラをつけているから対策万全」と油断している方にお伝えしたいのは、空き巣対策にはカメラだけでは不十分だということ。「防犯意識が高い家」という印象づけや、強盗、覗き、ストーカーなどへの抑止としては有効ですが、泥棒の中にはカメラを恐れない人物もいます。
なぜなら映像が残っても検証される頃には遠くに逃げていて、捕まる可能性が低いと思っているから。ホームセキュリティなど他の防犯と組み合わせ、侵入者を近づけない家づくりをめざしましょう。
もしもの時の「見せ金」金庫
防犯に“ 絶対” はありません。ですから、万が一に備えての対策も念のためにしておきたいもの。
もし侵入されたら…センサーが侵入者をキャッチして警報が鳴り、警備員が駆け付けます。泥棒は焦って余裕をなくし、てっとりばやく目についたものを盗んで逃げようとしますが、そんなとき、目につく場所に持ち運び式の金庫が置いてあったら、他を荒らすことなく、それを手に取り退散します。
中身は5,000 円ほどで十分。とりあえずの収穫感を与えることで逆恨みされることなく、被害を最小限に抑えることができるのです。
もし侵入されたら…センサーが侵入者をキャッチして警報が鳴り、警備員が駆け付けます。泥棒は焦って余裕をなくし、てっとりばやく目についたものを盗んで逃げようとしますが、そんなとき、目につく場所に持ち運び式の金庫が置いてあったら、他を荒らすことなく、それを手に取り退散します。
中身は5,000 円ほどで十分。とりあえずの収穫感を与えることで逆恨みされることなく、被害を最小限に抑えることができるのです。
一般社団法人 全国防犯啓蒙推進機構
理事長 折元洋巳さん
大阪府巡査を拝命後、約20年間大阪府警察で勤務し、機動隊や私服警察官、留置場の看守等を経験。現在は『ためしてガッテン』『おはよう朝日です』など多数のテレビ番組にも出演するなど、防犯の啓蒙に努めている。
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