ひったくりから身を守る。
更新日:2012/08/10
犯罪のなかでも発生件数の多いひったくりは、誰もが被害に遭う恐れがあります。被害が多く発生している場所や時間と犯行の手口を理解し、正しい防犯対策をとりましょう。
件数自体は減少傾向。
ひったくりは、大都市周辺で多く発生し、特に大阪府は平成21年まで長年にわたってひったくり認知件数全国ワースト1という状況が続いていました。しかし、防犯意識の向上や警察の警戒活動の強化によって発生件数も平成12年をピークに減少してきており、平成22年に全国ワースト1から脱出しました。
狙いは現金が入った"バッグ"です。
手口としては、バイク・自転車などで近づき、すれ違いざまに一瞬にしてバッグなどをかすめとる手口が大半を占めています。被害者の9割近くが女性で、中でも20代と、70歳以上の高齢者の割合がが非常に多くなっています。女性が狙われやすいのは、男性と比べて力が弱いこともありますが、最も大きな理由としては、〝バッグを持っているから〟が挙げられます。女性の多くはバッグの中に財布を入れていることから、ひったくり犯にとって「バッグ=現金」という認識があるからです。
また、銀行などでお金をおろして帰る途中の人を待ち伏せして狙うことを「途中狙い」と呼びますが、これは現金を持っていることが明白なために狙われやすいと言えます。
夜間に多発しています。
夜間に多く発生する理由には、暗くて犯人の顔やバイクのナンバーなどが見えづらくなることや人や車の通行量が減るので人目につきにくくなることなどが挙げられます。
歩道と車道の区分のない道路が危険です。
ひったくり犯はバイクに乗っていることが多いことから、歩道と車道の区分がなく、段差のない道路が狙われやすくなります。ただし、自転車を使ったひったくりの場合は歩道を自転車で走ってくるケースもあるので歩道と車道の区分があっても注意が必要です。
また、犯人にとって逃げ道の確保は重要なため、〝人通りが少なく、すぐ脇道にそれることができる〟道路も狙われる条件の一つです。帰宅時は注意力が散漫になることで襲われやすい状況にあるため、特に注意を怠らないように心がけることが必要です。
情報漏洩・流出などの被害にも注意が必要。
盗まれて困るものは現金だけではありません。仕事中であれば顧客情報などの個人情報を持っている場合もあり、パソコンやUSBメモリなどが盗まれるとそこから重要な情報が漏洩する場合もあります。そうなれば、企業をも巻き込んだ問題にまで発展してしまう恐れがあります。個人の携帯電話に保存されている連絡先などのデータも膨大な量ですから、「目に見えないものを盗まれる怖さ」も認識しておきましょう。
※本ページの内容は、関電SOS季刊誌「住まいring」Vol.17(2011年3月発刊)掲載の情報です。