玄関鍵の防犯対策~防犯性能の高い鍵は?~
更新日:2018/02/23
■狙われない防犯対策の基本は、「手間取る」+「時間がかかる」家
泥棒が嫌がるのは、侵入に手間がかかる、あるいは時間がかかる住まいです。
5分以内に侵入できない場合は泥棒の約7割が、10分以内に侵入できない場合は9割以上が犯行をあきらめる傾向にあることがデータでわかってきています。
つまり侵入時に足止めし「面倒だ」と思わせることができれば、空き巣のほとんどを水際で撃退できるというわけです。そこで今回はご自宅の中で、手始めにチェックしておきたい玄関鍵の対策についてご紹介します。
■あなたの家の鍵をチェック
図のような「ピンタンブラーキー」や「ディスクシリンダーキー」の場合、ピッキングなどによる不正解錠対策がなされていないため、泥棒は短時間で簡単に開けてしまいます。
ご自宅がこういう鍵の場合は対策が必要です。
■玄関ドアの侵入手口とは?
ここ数年、侵入犯罪の手口は凶悪化、巧妙化しており、ピッキングや、サムターン回しなど、防犯性の弱いカギを狙う犯罪が起こっています。
《ピッキング》
針金など特殊な道具で鍵穴から解錠する方法
《サムターン回し》
室内側のツマミ(サムターン)に直接手を入れて、または特殊工具によって解錠されてしまう手口
こういった手口には
1.防犯性の高い鍵(不正解錠対策済みの鍵)の取り付け
2.補助錠の取り付けによる1ドア2ロック
の対策が有効です。
■防犯性の高い鍵とは
ピッキングによる不正解錠に対する対策を施した鍵(シリンダー)は、複数のメーカーから発売されていますが、その構造は様々で、性能の低い鍵を選んでしまうと、せっかく交換しても意味のないものになってしまいます。
例えば世界的に信頼度が高いスイスのカバ社のカバスターNEOという鍵は、一般的な鍵が1列6本のピンなのに対して、5列26本と非常に複雑な構造をしているため、ピッキングの難易度が高く、耐ピッキング性能も10分以上と信頼できる鍵のひとつといえるでしょう。
また、玄関ドアの侵入手口として代表的なサムターン回しは、外側からドアに穴をあけたり、ドアスコープ(のぞき穴)から特殊な工具を入れ、内側のツマミをまわすことでドアを開ける方法ですが、先にご紹介したカバ社のセイフティサムターンは、在宅・外出の2つのモードを切り替えることができ、外出モードでは内側のツマミが空転するため、不正解錠を防ぐことができます。
このように、一口に「防犯性の高い鍵」といっても、メーカーにより様々な特徴があるため、取付の際は、専門家にご相談ください。
■1ドア2ロックは補助錠の取り付け位置
身近にできる防犯対策のひとつとしてあげられる補助錠を使った「1ドア2ロック」ですが、設置する場所や取り付ける位置にも最適な個所があり、正しく付けないとせっかくのカギも意味のないものになってしまいます。
<※CPマーク:CPとは、「防犯=Crime Prevention」の頭文字「C」と「P」を指し、マークはそれを図案化したもので、警察庁などが中心となって、「防犯性能の高い建物部品」の普及を促進するために制定されました。>
玄関の防犯対策は基本中の基本です。できることから始めて、防犯力の高い家を目指したいですね。