簡単で無理のないエコで暖かく過ごすコツ。
更新日:2012/11/08
<太陽光などの自然エネルギー、衣類や身近なものの活用と工夫で、冬を快適に過ごす方法をご紹介します。
身の回りのものを少し工夫して、暖かく過ごしましょう。
いよいよ冬本番を迎えます。現代の建物は昔と比べて気密性が高い構造になっており、夏よりも冬の方が過ごしやすい傾向にあります。しかし、外の寒気を室内に入れず、暖房などで暖まった室内の空気を逃さないようにするための工夫の余地はまだまだあります。
例えば、カーテンは外からの冷気の侵入や室内の熱が逃げるのを防ぐので、冬は厚めの素材で長さが床まであるものが効果的です。そのため、カーテンの衣替えをするのも暖かく過ごすポイントです(下記1参照)。
快適な暖かさは室温だけでなく「体感温度」にも関わってきます。「体感温度」は、湿度、衣類、インテリアなどに影響されやすいため、これらを少し見直すことで、より暖かく過ごすことができます。例えば湿度ですが、冬は湿度が高いほうが快適で暖かく感じます。ただし、あまり加湿し過ぎると結露やカビが発生しやすくなるので、50~60%くらいを目安に、調整することがポイントです(下記2参照)。また、衣類は保温性が高い素材で、体と衣服の間にできる暖かい空気を逃さない、襟元や袖口の詰まったものを選びます(下記3参照)。さらに、部屋の中を暖かい印象にしつらえるのもコツ。赤や黄色といった暖色系は、火や太陽をイメージさせるため、青や緑の寒色系に比べて、体感温度が3℃上がるという調査結果もあります(下記4参照)。その他、お風呂の温度などを見直すことで、体の中から温まることができます(下記5参照)。
この冬は、身近なものを少し工夫して、エコで楽しく快適に過ごしてみませんか。
1. 冷気を入れず、暖気を逃さない
厚めのカーテンをかける
カーテンは窓との間に空気の層をつくり、熱を閉じ込める効果があります。厚めの生地を選び、裾を長くして、床との間に隙間ができないようにするのがコツ。カーテンを二重、三重にするとより効果が出ます。
断熱フィルム
窓に市販の断熱・結露防止フィルムや断熱ボードを貼ると、外からの冷気を遮断し、室内の暖気を外に逃がさない効果があります。
太陽光で部屋を暖める
冬は太陽の位置が低くなるため、南向きの部屋ならば日中は太陽光だけでも暖かく過ごせます。また、昼間カーテンを全開にして日光を取り入れて部屋を暖め、夕方日が落ちたらすぐにカーテンを閉めると、室内の暖かさが保てます。
2. 湿度を高める
エコな加湿方法は様々
加湿器を使う以外にも、室内に洗濯物を干す、濡れたタオルを2~3枚かけておく、霧吹きを部屋全体にかける、お湯を張った容器を置く、フローリングの床を水拭きする、湯気の出る料理を作るといった方法があります。また、部屋に観葉植物を置くのもおすすめです。観葉植物は室内の湿度に応じて蒸散活動を調節し、自然な加湿効果が得られます。
3. 保温性のある衣類で暖かく
空気をたっぷり含む素材を選ぶ
「動かない空気」は熱を伝えにくい性質があり、衣服と体の間に、体の熱で暖められた「動かない空気」が多くあるほど暖かく感じます。羽毛の入ったダウンジャケットや羽毛ふとんが暖かいのは、素材の羽毛の中にたくさん空気が含まれているため。この他、保温性の高い素材は、ウール、シルク、カシミアなどの天然素材で、厚地のものほど空気をたくさん含みます。また、繊維そのものに空気の穴を作って保温性を高めた新素材(化学繊維)は、薄地で保温性が高く、下着などに使われています。
靴下の中にとうがらしを入れる
心臓から遠い足元は一番冷たく、温まりにくい場所です。靴下だけでなくスリッパやルームシューズを履くだけでも体感温度は上がりますが、なかなか温まらない場合は、とうがらしが直接肌に触れないように布などで包んで靴下に入れると温まります。
4. インテリアは見た目も暖かく
暖色をポイントに
赤、オレンジ、黄色といった暖色系は、太陽や火を連想させて暖かい印象を与えます。冬のインテリアは、見た目も暖かさを感じる色や素材を選ぶのがコツ。ただし、暖色は膨張色のため、インテリアのすべてを暖色にするとうるさくなることがあるので、クッションや小物などでポイントとして使うとよいでしょう。
照明を赤みのある色に
蛍光灯などの照明の色は、青みがあってクールな雰囲気をつくる昼光色や、自然な色合いの昼白色より、赤みのある電球色の方が暖かく感じられます。また、部分照明のランプシェードなどをインテリアのポイントとして暖色にするのもよいでしょう。
5. お風呂で体の中から温まる
ぬるめのお湯がおすすめ
42℃以上の熱いお湯は体の表面が熱くなるだけで、熱さで血管が収縮してしまうので、体の芯までは温まりません。38~40℃のお湯はリラックス効果もあり、体全体を温め、寝つきもよくなります。体が冷めないうちに眠りにつくと睡眠の質も上がるので、入浴後15~30分以内に寝る習慣をつけるとよいでしょう。
足湯で快眠
入浴後すぐに寝られなかったような場合は、足湯をすると寝つきがよくなります。お風呂の残り湯に5分ほど足をつけるだけで効果があります。
※本ページの内容は、関電SOS季刊誌「住まいring」Vol.19(2011年7月発刊)掲載の情報です。