空き巣被害と確定申告

空き巣被害は、防犯対策を行うことで未然に防ぐことが最も大事。しかし、どんな対策を行っても、100％の安全はありません。

万が一、空き巣被害に遭った際は、確定申告により「雑損控除」制度が活用できないか確認してください。自然災害被害と同様、空き巣、窃盗などの被害も控除の対象になるのです。

控除の計算方法は、① 差引損失額（損害金額＋災害関連支出の金額－保険金などにより補てんされる金額）－その年の所得金額の10％か、②差引損失額のうち災害関連支出額－5万円のいずれか多い方の金額を、所得から控除できるというもの。

例えば、空き巣被害額が100万円で、保険の支払金額が30万円、一年間の給料収入が400万円（給与所得額は266万円）として、①の計算方法を適用した場合は、100万円－30万円－266万円の10％、すなわち、控除対象金額は43万4千円で、還付される金額はそのうち（給与所得が266万円の場合）10％の4万3千円となります。

被害金額に比べればわずかな金額ではありますが、自分で被害金額を少しでも回復することができます。なにより「空き巣に一矢報いる」ことも、気持ちの上でも大切ですね。
　
ただし、雑損控除を受けられるのは、「生活に通常必要な住宅」、「家具」、「衣類」などの資産の損害のみで、事業用の資産や別荘、書画、骨とう、貴金属等で、１個又は１組の価額が30万円を超えるものなどは当てはまらない、と定められています。また、確定申告時には、警察による被害証明書が必要な場合もありますので、被害に遭ったらすぐに警察に届けることと、お近くの税務署への相談もお忘れなく。

繰り返しになりますが、大事なのは空き巣被害を未然に防ぐこと。まずは、施錠をしっかりするといったすぐできる防犯対策からしっかり行い、さらにホームセキュリティシステムを導入するなどの防犯対策を講じていくことが大切です。

＜参考＞国税庁ＨＰ（雑損控除）
　--＞　https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1110.htm

（監修：京師美佳）