オフィスのセキュリティ対策で重要なゾーニングとは?
更新日: 2021/08/17
コロナ禍で注目されている「ゾーニング」とは?
昨今のコロナ禍で、注目を集めている「ゾーニング」という言葉があります。ゾーニングとはもともと都市計画・まちづくりや建築・設計の分野で特定の地域・場所・空間を、用途・機能に応じて区分けし位置関係を決定することを言います。
例えば私たちが生活している一般的な街を想定してみましょう。するとマンションやアパートなどの住居がある移住エリア、商店街やショッピングモールなどの商業施設がある商業エリア、会社事務所や工場などの施設・設備がある工業エリア、といったようにゾーニングがなされています。さらに細かく見ていくと、ショッピングモールであれば、店舗をはじめフードコートや駐車場といったようにゾーニングされています。
オフィスのゾーニング
都市計画・まちづくりや建築・設計の分野で使われるゾーニングですが、オフィスのレイアウトを考える際にも使われるケースが多くなっています。
オフィスでは毎日のように社員をはじめ取引先や顧客など、さまざまな人が動き回ります。またパソコンやコピー機、デスク、椅子、書類といったようにさまざまな備品が置かれているのも、オフィスの特徴です。
こういったオフィスにおいても、ゾーニングは非常に重要な意味合いがあります。例えば「社員の動きに無駄がないか」「取引先が来社する際にスムーズに目的の部屋にたどり着けるか」「従業員が社内の備品を探す際に手間や時間を取られていないか」「人目につかない箇所がありセキュリティ面で安全か」といった形です。
実際に適したゾーニングによって社員一人一人の動きが変わるのはわずかです。しかし数百人の社員を抱える会社や数年といったスパンで見ると、ゾーニングを用いて適した配置にすることで、大きな業務削減を期待できるでしょう。
他にもセキュリティ面を例にしてみると、備品の配置によって少しでもオフィスの見通しが良くなれば、防げる窃盗被害や侵入被害があるかもしれません。
オフィスにおけるセキュリティ対策の重要性
オフィスには窃盗犯によって狙われる備品が無数に存在します。一般的には、上記でご紹介したパソコンやコピー機、デスク、椅子、書類といった備品が該当します。
その他にも昨今は備品よりも重要視されているのが、従業員や取引先、顧客等のデータです。これらのデータは競合となる企業に裏取引で売買されたり、従業員が電話番号やメールアドレス、住所を知られてしまったことにより悪質なストーカー被害に遭ってしまうなどのケースが危惧されます。
備品の窃盗被害は買い直せば済むかもしれません。しかし従業員や取引先、顧客からの失った信用を解消するのは難しいのが事実。実際に取引先がセキュリティ対策が甘いことで窃盗犯に侵入され、自社の大切なデータが紛失してしまったら、その後の取引に悪影響が出るのは明らかです。また賠償金が発生したり、従業員が離れてしまったりと二次的な被害も危惧されるでしょう。
オフィスのセキュリティ対策にはゾーニングの考え方を取り入れよう
ここまでにゾーニングの概要とオフィスにおけるセキュリティ対策の重要性をご紹介してきました。ここからは実際にオフィスでゾーニングの考え方を取り入れ、オフィスを安全に保つための方法についてご紹介していきます。
セキュリティを意識したオフィス全体のゾーニング
セキュリティを意識してオフィスをゾーニングする際には、オフィス内のゾーンに応じてまずは区分けをしていきましょう。ここでは下記の4つのゾーンに区分けして考えていきます。
・エントランスゾーン
・来訪者ゾーン
・従業員ゾーン
・機密情報、重要備品ゾーン
エントランスは従業員や取引先、顧客など誰でも入れるゾーンです。そのためセキュリティレベルは最も低いゾーンといえます。受付が必要なオフィスでは、エントランスゾーンに設けるケースが一般的です。
来訪者ゾーンは、受付に通過した人のみが通れるゾーン。具体的には応接室や会議室等の来訪者が訪れる必要がある部屋までを指します。
従業員ゾーンは、従業員が日常的に業務にあたるゾーン。従業員用のデスクや椅子、パソコン等が置かれており、重要なデータや備品が置かれることもあるので、セキュリティ対策を高める必要があるゾーンです。機密情報、重要備品ゾーンは、今回の例では最も高いセキュリティ対策が求められるゾーンです。外部に流出してはいけない自社・取引先・従業員・顧客等の重要な書類やデータを管理します。また、従業員であっても、入室を制限する場合があります。
このようにオフィスをゾーニングし、セキュリティ対策を進めることで窃盗や侵入被害を最小限に抑えられます。ただしゾーニングしたとはいえ、窃盗や侵入は必ずしも起こらないわけではありません。
まとめ オフィスのゾーニングに加えて防犯機器・設備の導入を
今回の記事では、オフィスにおけるセキュリティ対策の重要性やゾーニングを取り入れたセキュリティ対策についてご紹介しました。今回ご紹介した内容を参考に、従業員や取引先にも信頼されるオフィスにしていきましょう。
とはいえゾーニングの考え方を取り入れただけでは、十分なセキュリティ対策ができているとはいえないのも事実です。そのため安全なオフィスにするためにも防犯カメラや窓や扉の異常を検知知らせてくれる防犯機器・設備の導入を検討するのもおすすめです。